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ぐるなびとカカクコムの決算発表を比較してみる。

5月といえば、会社の3月決算説明がある時期です。なので、個人的に気になる2つの会社の決算説明の内容を比較しようと思います。
その2つの会社は、「株式会社ぐるなび」と「株式会社カカクコム」です。

ぐるなび カカクコム

この2つの会社は、ユーザに対して無料でコンテンツを提供し、お店から販促料・広告料を貰うという点で、ビジネスモデルが良く似ています。

ぐるなびとカカクコムのビジネスモデルのピクト図解

今流行りの、4つのフリービジネスモデルでいう「三者間市場」です。

ビジネスモデルは似ていても、実際に財務諸表の中身がどれくらい違うのかを、見比べたいと思います。

<注意>

  • 自分は投資家でもアナリストでも無いなので、あくまでも、ど素人が書いていることだと理解してください。
  • ここに書いてある数値は、下記の投資家情報の資料によるものです。細かい数値は四捨五入しています。

ぐるなび-投資家情報 カカクコム-投資家情報

2010年3月期の損益計算書の比較

売上高はぐるなびがカカクコムの1.8倍、100億円以上差があります。しかし、純利益はカカクコムがぐるなびの1.4倍と逆転しています。

ぐるなびは大勢の営業力を使って売上を稼いでいるのに対して、カカクコムは少人数の技術者が作るシステムで売上を稼いでいるようです。

従業員数、1人当りの売上、平均年収の比較

従業員数や、1人当りの売上や平均年収を比較すると、それが明らかになります。
ぐるなびは同じ社員でも、収入の格差がありそうです…

株価と時価総額の比較

時価総額は、カカクコムがぐるなびの2.7倍、600億円以上の差があります。PBRやPERもカカクコムの方が高く、株式市場の人気が高いことが伺えます。

飲食店だけに特化しているぐるなびと比較して、カカクコムは様々な事業を展開しているため、景気による影響が少ないようです。そのため、事業や株価が安定しているのかもしれません。

サイトパワーの比較

決算説明会資料に公表されている数値を比較すると、「ぐるなび」は「食べログ」よりも、利用者数が多いように見えます。

しかし、PVやUUは、各社ごとに取り方が違ったりするので、正確に比較することは困難です。
AlexaやNetRatingsによると、食べログぐるなびを抜いたという数字も出ているようです。

AlexaとNetRatingsによるトラフィック・順位の比較

これも正確な数値とは限りませんが、2009年の序盤まで独走状態だったぐるなびに、食べログが追いついてきているという事は確かなようです。

今期の取り組み

ぐるなび

ぐるなび第2創業期〜新しいステージへ〜

  • ユーザーとの絆のさらなる強化ーサイト価値の向上ー
  • 飲食店との絆のさらなる強化ーAE型営業へー
  • ぐるなび独自の新サービスの開発
カカクコム

消費生活のあらゆるシーンにサービスを拡大し、運営サイトの利用者の増加と収益化の促進を図る

  • ショッピング領域で利用者No.1に
  • グルメ領域での収益化加速
  • 新しい事業の柱の育成

ぐるなびとカカクコムの戦略の違いは、ぐるなびが営業力を高めてお店のサポートに力を入れようとしているのに対して、カカクコムは事業を拡大してユーザ数の増加に力を入れているように思いました。

まとめ

自分の感想ですが、ぐるなびは加盟店寄りで、カカクコムはユーザ寄りのような感じがしています。
カカクコムの方がぐるなびよりもユーザ寄りなので、WEBサイトのユーザビリティぐるなびよりも食べログの方が勝っているような気がします。
しかし、ぐるなびは飲食業に事業が特化していて、営業やサポートスタッフが多いので、お店に対する販促支援や飲食業界のノウハウ提供は、食べログよりもぐるなびが勝っていると思います。

一見、ビジネスモデルが似たように見える会社ですが、決算説明内容を見ると財務や戦略が違うということが分かります。
ぐるなび食べログは、それぞれ戦略が違うので、お互いがカニバルことなく共存していけたら良いと思いました。

参考図書